「よく噛んで食べると頭が良くなる」という話を聞いたことはありませんか?
昔から「よく噛みなさい」と言われますが、噛むことは食べ物を細かくするだけではありません。口やあごを使い、食べ物の味や食感を感じながら食事をする大切な動作です。
たくさん噛めば成績が上がるという単純な話ではありませんが、子どもの健やかな成長を考えるうえで「咀嚼」は意識したい習慣の一つです。
噛むと脳にも刺激が伝わる?
食べ物を噛むときには、あごや口の周りにあるさまざまな筋肉を動かします。
咀嚼と脳機能の関係についてはさまざまな研究が行われており、噛むという行為によって脳の複数の領域が活動することも知られています。
ただし、「よく噛む子ほど頭が良くなる」とまで言い切れるものではありません。
子どもに「頭が良くなるから噛みなさい」と伝えるより、「ゆっくり味わって食べようね」と声をかけるほうが、楽しい食習慣につながるでしょう。
あごや口の発達にも大切
成長に合わせた硬さや大きさの食べ物を噛むことは、口の機能を使う機会にもなります。
前歯でかじり取り、奥歯で噛みつぶし、舌を使って食べ物をまとめて飲み込む…普段の食事では、こうした複雑な動きを自然に繰り返しています。
ただし、硬いものを食べさせればよいわけではありません。特に小さな子どもは、噛む力や飲み込む力に合わせて食材の硬さや大きさを調整することが大切です。
「早食い防止」にもよく噛む習慣を
お腹が空いていると、つい急いで食べてしまう子もいます。そんなときは「30回噛みなさい!」と回数だけを決めるより、「どんな味がする?」「サクサクしているね」など、食べ物に意識を向ける声かけがおススメ。
家族がゆっくり食事をする姿を見せることも、子どもが噛む習慣を身につけるきっかけになります。
噛む力を育てる食事の工夫
毎日のメニューでも少し工夫できます。例えば、野菜を何でも細かく刻むのではなく、子どもの発達段階に合わせて適度な大きさを残す、さまざまな食感の食材を取り入れるなどです。
食材そのものの味や香り、歯ごたえを楽しめれば、食への興味にもつながります。
一方、丸い食材や硬い食材などは窒息事故につながることがあります。年齢や発達に応じた安全な調理を最優先にしましょう。
「よく噛む」を家族の習慣にしよう
咀嚼は、特別な知育教材を用意しなくても、毎日の食事のなかで自然に経験できるものです。大切なのは、「頭を良くするため」と無理に噛ませることではなく、子どもが自分のペースで食べ物を味わえる環境をつくること。
「今日のにんじん、どんな食感かな?」など親子で会話を楽しみながら、ゆっくり噛んで食べる習慣を育てていきたいですね。