学びがいっぱい「台所育児」とは?

 

はじめに

皆さんは「台所育児」と言うものをご存じですか?

「台所育児」とは、お父さんやお母さんと、子どもが台所に一緒に立ち、食べ物を切ったり、混ぜたり、火を使って調理をすることを指します。保護者と一緒になって自分の力でお手伝いをすることで、子どもは達成感を知ることができます。

また、自分で調理をすることで、食べ物の好き嫌い克服のきっかけになることもあるので、好き嫌いがある子には特に「台所育児」はおすすめです。料理の楽しさや、食べ物への感謝の気持ちが芽生え、食べようという意識が高まるでしょう。

「台所育児」を始める年齢に特に決まりはないので、子どものやる気が芽生えたタイミングで、簡単な切る、混ぜるなどから挑戦してみましょう。
今回は「台所育児」がもつ子どもへのメリットや、ポイントをご紹介していきます。

 

「台所育児」の効果

①思考力が養われる

料理をするとき、まず必要な材料を用意してそれぞれの分量を量る、そして調理の手順を考えることが大事になります。このように、作る順番や段取りを考えることで思考力や想像力が高まるでしょう。

子どもが反復して練習することで、この思考力や想像力を鍛える訓練になります。

②自己肯定感を高めてくれる

お父さんやお母さんからお手伝いを頼まれると、子どもは信頼されていると感じます。これは子どもの自己肯定感を育むことに繋がります。

更に、お手伝いをして、「ありがとう」という感謝の言葉があると「自分は人の役に立っている」、「自分は周りから必要とされている」という気持ちが生まれ、子ども本人の自信ややる気に繋がるのです。

③達成感と責任感が生まれる

任されたお手伝いを自分の力で最後までやりきることで、子どもは大きな達成感を味わうことができます。そして、家事の一つを担うことで、自分が家族の一員であるという意識がより高まって、責任感も自然と身につくでしょう。

このように、子どもが達成感や責任感を実感することに、料理をすることはとてもおすすめです。数十分間、集中して取り組むだけで一品完成し、子どもは幼くても大きな喜びや充実感、達成感を味わうことができるでしょう。

 

 

「台所育児」のポイント

① 台所育児グッズは子どもに合うものを選ぶ

子どもが包丁を使う場合には、怪我をしないように切れ味がよくない包丁が安心だと考える保護者もいるかもしれませんが、実は切れ味の良いものの方が、包丁を慎重に取り扱う習慣が身につくとされています。

切れ味の悪い包丁は、硬い食材を切るときに力が必要になりますし、切れないことで、手元が滑って手を切ってしまう可能性があり、逆に危険が伴います。子ども用の包丁なら、刃先が丸くなっていたり、大人用と比べて持ち手が細めに作られているので安心です。

最近では、子ども用包丁、ピーラーとキッチンバサミなど、お手伝いに必要なグッズがセットになって販売されているものもあります。

②子どもが気に入るエプロンをつけさせる

子どもがお手伝いをすると、大人では汚れない作業でも、子どもは派手に汚すことがあります。ですので、「台所育児」にはエプロンは必須アイテムなのです。

また、エプロンをすることで子どものやる気も倍増すると言われています。子ども用エプロンも、最近はデザインが豊富にあります。やる気を高めるために、子どもに自分でお気に入りのエプロンを選んでもらうというのもおすすめです。

一方で子どもは大人の真似をしたがるので、お父さんやお母さんとお揃いのエプロンをつけてみるのも素敵です。

 

 

さいごに

自分の力でお手伝いをして料理を完成させることは、子どもに大きな達成感と自信を与えてくれます。自尊感情を育み、生きる力を養うことができる「台所育児」は、とてもおすすめです。

慣れない初めのうちは失敗することもあるでしょう。それでもお父さん、お母さんはじっくりと見守ることが大切です。『失敗は成功のもと』と言われるように、失敗という経験の積み重ねが子どもの思考力が養ってくれます。

是非「台所育児」を日常に取り入れて、親子で楽しみながら、子どもへの学びの場を与えていきましょう。