はじめに
「歩育(ほいく)」という言葉を耳にしたことはありますか?
「歩育」とは、歩くことで自然や社会に触れ、子どもたちの心や生きる力を養う教育のことを指します。
絵本やテレビから得る知識だけではなく、自分で見て感じた知識の方がより身に付きますし、沢山歩くことで育脳効果もあり、加えて運動能力や五感も発達するのです。
歩育=散歩ではありません。
歩育はただ歩き続けるのではなく、歩く道すがら、立ち止まってそこにいる生き物や植物を観察したり、交通ルールを学んだり、例えば、走る、しゃがむなどの、幼少期に高められる運動機能を習得することができるのも歩育の特徴です。
このような効果が得られる「歩育」は、インドアな子どもが増えている現代だからこそ、その改善策としても重要視されているのです。
今回は、「歩育」が与える効果を具体的にご紹介していきます。
「歩育(ほいく)」がもたらす効果とは?
運動機能の発達
歩くこと以外にも、実は色々な動きをしているのが「歩育」です。
例えば、目の前にある段差をジャンプで越えたり、転ばないよう慎重に歩いてみたり、安全に進むために自分で工夫するということが、運動機能を発達させる為には効果的と言えます。
「歩育」の楽しいところは、歩いている道すがらに咲いた花を見つけたり、地面を歩いている虫を観察したり、歩くこと以外の動作をしながら楽しく生活の中で学習ができるところです。
よく眠ることができる
運動量が少ない日は子どもの寝つきが悪いと感じる方は多いのではないでしょうか?
子どものエネルギーを発散するのに、「歩く」ことは最適と言えるでしょう。
また、昼間に日光を浴びることもよい眠りには欠かせない要素です。
睡眠を促すホルモン「メラトニン」は、「セロトニン」という脳内ホルモンを材料にしており、これを増やすためには、昼間に太陽の光を浴びることが良いとされています。
最後に
「歩育」には、皆さんが思うより多くのメリットがあることをお分かり頂けたのではないでしょうか?
最近の子どもたちは、放課後も習い事で忙しく時間がないため、公園で遊ぶよりもゲームをしたり、家にこもってしまいがちです。
それに加えて子どもたちは車で習い事や学校に通い、歩くことが減っています。
また、心ではできる限り歩いてほしいと思っていても、理由をつけて車やベビーカーで移動してしまったり、スーパーなどに行った時は買い物に集中したいのでカートに乗せたりと、日常生活の中で、特に外に沢山出て歩くということは私たちが思っている以上に出来ていないのかもしれません。
「歩育」の大切さを知った今日から、少しずつ子どもと歩くという意識を持つだけで、きっと子ども成長をより良いものにしてくれるでしょう。