目安は「年齢×1km」!子どもを歩かせるメリット

●はじめに

皆さんは子どもが1日に歩く適切な距離はどれくらいかご存知ですか?一般的には「年齢×1km」と言われています。近年では「歩育」という言葉もよく聞かれるようになるほど、歩くことは重要視されています。その理由としては、現代の子どもは放課後も習い事などで忙しく時間がないため、公園などで遊ぶよりも家にこもってしまいがちで、なおかつ子どもたちは車で習い事や学校に通い、歩くことが減っていることが挙げられます。
そんな現代で注目されている「歩育」とは歩いて自然や社会に触れ、子どもたちの豊かな心、生きる力を育てる教育のことを指します。
本やテレビなどで得た知識だけではなく、実際に自分で見て感じた知識の方が身に付きやすいですし、歩くことで子どもの脳が成長し、運動能力や五感を刺激し、発達の手助けになります。歩育が「ただの散歩」と違うのは、歩き続けることを目指すのではなく、立ち止まって生き物や植物を観察したり、交通ルールを学んだり、幼児期に必要な運動能力を習得することも歩育の特徴です。今回は、この「歩育」について、詳しくご紹介していきます。

 

●歩くメリットは?

①身体の成長と運動機能の発達

足は「第2の心臓」と言われているほど身体の中でも大事な部位です。 足を動かすことによって、血液を心臓にくみあげポンプのように送り返す役割を担っています。ですので、歩くことで、血液の流れが良くなり体が温まります。血行が良くなると、食事でとった栄養が身体や脳にも行き渡ります。また、歩く以外にもお散歩途中には、いろいろな動きをしているます。段差をジャンプで乗り越えたり、転ばないようにそっと慎重に歩いてみたり、このような動きは運動神経を高めるためにとても効果的と言えるでしょう。

 

②睡眠の質が上がる

運動量が少ない日は子どもの寝付きが悪いと感じることはありませんか?子どものエネルギーを消費するのに、「歩く」お散歩は最適です。また、昼間に日光を浴びることもよい眠りには欠かせません。睡眠を促す「メラトニン」と呼ばれるホルモンは、「セロトニン」という脳内ホルモンを原料にしています。この「セロトニン」を増やすためには、昼間に太陽の光をしっかり浴びることが効果的です。歩くお散歩習慣が、子どもの寝付きの悪さを改善してくれるかもしれません。

 

③体力の向上

近年、子供の体力低下は深刻な問題になっています。身体活動量が不足し、体力や運動能力が低下しているのが現実です。直立不全、扁平足、脊柱側湾等の身体のゆがみなど、トラブルを抱えてしまう子どもも珍しくありません。きつい運動をしなくても、「歩く」ことを極めたお散歩でもきちんとエレルギーを消費し、体力をつけることができます。ハードルも高くないので気軽に行えるのが散歩の強みではないでしょうか。

 

●最後に

「歩育」について深く知ることはできたでしょうか?歩くということは毎日必ず行う行為ですが、子どもに意味を持って意識的に行わせることでより高い育脳効果を発揮するでしょう。

あてもなく気ままに歩いたり、目的地を設定して冒険のように楽しく歩いたり、家族みんなで歩いたり、いろんなお散歩をしてみてはいかがですか?