はじめに
子どもを育てていく上で逃れられない『イヤイヤ期』というものがあります。
一般的には、2歳前後になると生まれる自我が自己主張を強くさせるためだと言われています。この『イヤイヤ期』は日本だけでなく世界共通で、『魔の2歳児』ともよく表現されます。
自分の思い通りにならないと泣いたり喚いたり、どこでも寝転がってジタバタしてしまう子も少なくありません。
個人差はありますが、基本的にこの年齢の子どもは、自分の本能のままにやりたいこと・したいことがあると、そこに向かって一直線で夢中になります。例えば、オムツを替えたがらない、ご飯を食べない、お風呂に入りたくない、など日常のことすべてがイヤイヤになってしまう日もあります。
また、外遊びに出掛ければ、ベビーカーや自転車に乗りたくないとぐずったり、公園についても、遊具はみんなで使うものなので、並ばなくてはいけないのに順番を守れなかったり、することもあるでしょう。一緒にスーパーなどへお買い物に行けば、おもちゃがほしい、お菓子を買ってほしいと泣きわめくこともあります。
このように、家の中でも外に出てもイヤイヤ期の子どもと一緒に過ごす時間は、お父さんやお母さんにとって、体力的にも精神的にも負担と感じることが増えてくることは間違いありません。
しかし、実はこのイヤイヤ期は子どもの成長過程において、とても重要な時期なのです。身体も脳も著しく成長し、スポンジのように吸収する年齢なので、イヤイヤ期がきたということは子どもが順調に育っている証でもあるのです。
『イヤイヤ期』がくると、保護者の方は『このままわがままな子に育ったらどうしよう?』、『協調性がない子になってしまったら?』と不安になってしまうこともあるかもしれません。
ですが、イヤイヤ期の子どもの甘えを周囲の方が受け止めてあげることは、自己肯定感が高まったり、自分に自信を持つことができると言われています。自分に自信がある子に育つと、積極性が生まれ、失敗してもまた立ち上がって挑戦することができる大人に成長してくれるでしょう。
ですので、『イヤイヤ期』の子どもには怒るのではなく、教えたり受け止めたりしてあげることが大切です。
『イヤイヤ期』はいつからいつまで?
この『イヤイヤ期』は、子どもによって始まる時期も終わる時期も違いますが、前述のように2歳前後になるとはじまり、3歳頃になると落ち着いて、4歳になる頃には気が付いたら終わっていた!という家庭が多いようです。
イヤイヤ期の子どもへの対処法とは?
『イヤイヤ期』がきた子どもへどう対処したらよいのでしょう?こちらでは、よくある場面別にみていきましょう。
公共の場ではしゃいでしまう場合
この年齢の子どもは集中力が発達する時期でもあるので、ある程度は仕方がないことです。
また好奇心旺盛な子は、他の子のおもちゃに興味がとられ、時には奪ってしまうこともあるでしょう。その際は予め図鑑や絵本、塗り絵など、子どもが集中してくれるものを用意しておけば、子どもの意識を別なものに逸らして落ち着かせることもできます。
まだ自分にはできないことをやりたがる場合
この場合は、自立心が発達している証です。
できれば「一緒にやる?」などと声をかけて子どもに進んでやらせてあげて、保護者は「最後だけお手伝いさせて?」と仕上げだけやってあげるなど、子どもが危険にならない程度にサポートしましょう。
さいごに
『イヤイヤ期』にご自身のお子さんがさしかかった時、その大変さに疲れたり、怒ってしまうことが多くなる方もいるでしょう。
一方で、この時期が子どもの成長過程の中でとても大切な時期でもあることがわかりました。疲れた時や、怒ってしまいそうなときは、一呼吸おいて落ち着いたら、子どものサポートをするイメージでできる限り子供と一緒に楽しく対処法を実践しながら乗り越えていきましょう。