運動遊びは、幼児にとって基礎体力がつくのはもちろん、コミュニケーション能力を育むなど、体と心の成長を促すのに有効です。
ところが現状は、生活環境や遊びの変化などによって、子どもたちが体を動かす機会が減っています。それにより平均的な子どもの運動能力の低下や、発達の遅れといった影響が。
しかし、アイデアや工夫によって子どもが運動する機会を増やしてあげることは可能です。
前回の4歳児向けに続いて、今回は5歳児向けのおススメ運動遊びをご紹介します。
5歳児の運動機能と運動遊びのねらい
5歳にもなると、だいぶ身体のつくりがしっかりしてきます。
それに伴い運動能力も発達して、走る・跳ぶ・投げるといった基本動作はもちろん、複合的な運動もできるように。なわとびや鉄棒、マット運動やとび箱などの体育的な運動ができる子も多くいます。
また、他者の気持ちも察するようになるので、自分の感情を抑えたりお友だちを思いやったりする経験も増えるはず。運動遊びの時間が、集団で遊ぶときのルールを守りながら楽しく周囲との関り方を学べる絶好の機会になるでしょう。
手押し相撲
マットの上に子ども同士が向かい合って立ちます。手だけを使って相手をマットから押し出す、または相手を転ばせることができた方の勝ち。相手の手以外のところを触ったら負けです。
保育園などクラスメイトがいる場合、これまであまり一緒に遊ぶ機会のなかった子同士でやらせると、コミュニケーションのきっかけになるかもしれません。
ピンポン玉運び
お玉などを使って、そこに入れたピンポン玉を落とさないように運ぶ遊び。
子どもが複数人いる場合はリレー形式で、チーム対抗にすると盛り上がります。もちろん、おうちで親子で競争するのもおススメ。
お玉の大きさやスプーンにするなど、難易度を変えることができるので、慣れてきたら少しずつ難しくすると良いでしょう。
フラフープ
フラフープは、腰で回す一般的な遊び方はもちろん、他にもさまざまな遊び方で楽しめます。
たとえば、フラフープでのなわとび。上の方を両手で持って、クルクルと回転させながら飛び越えます。
最初はフラフープを両手で持って飛び越えるところだけを繰り返して、できるようになったら頭上まで回して体の前に持ってくる、というふうに順を追ってできるように練習すると良いでしょう。
また他にも、2人で向かい合ってフラフープを相手に向かって転がし合う遊びもおススメです。キャッチボールのように投げてキャッチし合うのも良いでしょう。