子どもたちの健やかな成長のために、園にいる間ずっとはだしで過ごす「はだし保育」を取り入れている保育園や幼稚園は珍しくありません。わが子にできる限りはだしで過ごさせている、というご家庭もあるでしょう。
運動能力はもちろん、体の発育や育脳にも効果があると言われています。
今回は、そんな「はだし保育」のメリットとデメリットをご案内しましょう。
はだし保育とは
「はだし保育」とは文字どおり、子どもたちが靴や靴下やを履かずに過ごす保育方法のことです。
導入の線引きは施設の考え方によって違っていて、暖かい時期だけというところもあれば、1年じゅうはだしというところも。また、屋内だけにするか屋外でもはだしか、も分かれるところ。
いずれにせよ、子どもたちの健康的な身体づくりや、脳への刺激といった効果を期待して導入されています。
はだし保育のメリット
土踏まずが発達する
足の裏の土踏まずには、足を疲れにくくしたり、バランスを取ったりする役割があります。
しかし、生まれたての赤ちゃんには土踏まずはありません。成長に伴って形成されますが、体を動かす機会が少ないと発達せず偏平足になってしまいます。
はだしで歩くことで土踏まずの形成を促進することが大切です。
身体能力・バランス感覚が養われる
足の裏にはたくさんのツボがあって、体を支えるバランスのセンサー的役割を担うツボも集まっています。
はだしで歩きまわることでこれらのツボが刺激され、バランス感覚や運動能力が高まるでしょう。
また、ツボへの刺激で血流が良くなり免疫力もアップ。風邪をひきにくい健康な体づくりにも役立つでしょう。
脳や情緒を育む
床や地面の温度や感触を足の裏から直接感じると、五感が刺激されるだけでなく、それが大脳へ伝達されるため脳が刺激されることにもなります。
また、例えばはだしで砂の上を歩いたときなどに「気持ちいい」と感じると、脳は副交感神経が優位な状態に。これはリラックス効果やストレス解消につながり、子どもの情緒を安定させるといわれています。
はだし保育のデメリット
ケガをしやすい
デメリットというか、はだし保育でいちばん心配されるのが、ケガをする危険が高まること。
屋外だけでなく、屋内でも石やガラスなどが落ちているかもしれません。おもちゃを踏んだだけでも、靴下を履いているときより痛みを感じるはず。
保育園の先生やベビーシッターさん、保護者のみなさんが、常に気を付けておく必要があります。
不衛生
当然ですが、はだしで過ごすと足の裏に泥や雑菌が付いて、不衛生になりがちです。子どもが足の裏を触った手で、ごはんを食べたり目をこすったりすれば、細菌が体内に侵入して病気を引き起こすかもしれません。
大人がこまめに足の裏を洗ったり拭いたりなど、子どもたちの衛生面に注意しましょう。