絵本読み聞かせの効果とコツ

 

はじめに

皆さんはお子さんに絵本の読み聞かせをしていますか?

絵本の読み聞かせは、子どもの心の成長や学力向上など、多くの効果をもたらします。積極的に読み聞かせをしようという保護者の方は多いと思いますが、具体的な効果はどのようなものなのか、読み聞かせをする時にコツはあるのかなど、詳しくご紹介していきます。

 

 

絵本が持つ読み聞かせ効果

 

①感情が豊かになる

子どもたちは、絵本の登場人物を通して物語を疑似体験します。喜怒哀楽を感じたり、自分の心の変化を知ったりと、感情が豊かになるでしょう。

 

②集中力が養われる

読み聞かせに慣れてくると、子どもは集中力が身に付きます。
子供の集中力は長くは続かないので、読み聞かせを始めたばかりの頃は、最後のページまで読みきれないことが多く、途中で断念せざるを得ないこともあるはず。しかし、絵本を読む習慣が身につくと、徐々に集中力が養われ、最後まで聞いてくれるようになるでしょう。

 

③親子でコミュニケーションがとれる

絵本の読み聞かせは、親子のコミュニケーションの時間。
読んでいる大人の声が子どもに安心感を与えるだけでなく、肌のぬくもりを感じることで関係が親密になり、信頼関係が強くなります。親の愛情を感じるので、自己肯定感も養われるでしょう。

 

④想像力を育む

子どもの想像力が育まれることも、絵本の読み聞かせのメリット。想像力が豊かな子は、思いやりを持って人と関わることができるので、他人の痛みがわかる心の優し大人になるでしょう。

 

⑤言語力がつく

絵本の読み聞かせによって語彙力や読解力がつくと、国語力と学力の向上が期待できます。
まだ字が読めない小さな子も、何度も読み聞かせをくり返すことで、絵本に書いてある言葉やフレーズの口真似をするように。それが次第に自分の言葉になっていくので、言語力の発達につながるのです。
語彙力が高いと相手の言う事もよく理解できるので、良好な対人関係を築きやすいといえます。つまり、国語力はコミュニケーション能力と深い関わりがあるのです。

 

 

絵本の読み聞かせのコツ

 

①普段の声の大きさで読む

読む方も見る方も、リラックできることが大事です。声を張りすぎるとせっかくの絵本の世界観を壊してしまうので、リラックスしながら普段の声の大きさで読むようにしましょう。

 

②声の抑揚で絵本の世界を伝える

絵本の読み聞かせは、大人が読むことで、子どもに絵本の世界を伝えるものです。主役は絵本と子どもたち。
大人は絵本と子どもたちとを繋ぐパイプ役なので、あくまで補佐的な役割であるという事を忘れないようにしましょう。

 

③「つづき」を期待させる

5歳くらいになると、長いお話も興味を持って聞くことができるようになります。『今日はここまで、つづきはまた明日ね!』と、「つづき」を楽しみに待つということを経験させることで、自然と絵本が楽しいものになっていくでしょう。

 

④絵本の読み聞かせを続ける

子どもが文字を読めるようになると、子ども自身で読ませて、読み聞かせをやめてしまうご家庭が少なくありません。もちろん、自分で読むことはとても大切ですが、その場合、物語の内容や言葉の意味を理解せず読み進めている可能性が。
子どもが自分で絵本を読むときは、それを見守りながら、次の絵本は保護者の方が『読んであげるね』などと声をかけて、読み聞かせも続けていきましょう。

 

⑤強制しない

絵本に対する興味や好みは一人ひとり違います。強制的に注意を向けさせるのではなく、興味を持てるような絵本を選んで読み聞かせをすることが大切です。
誰だって、強制されるとどんな楽しいことでも嫌になってしまうもの。絵本が嫌になってしまうと、絵本がもたらすたくさんのメリットを得られないかもしれません。

 

 

さいごに

読み聞かせは親子のコミュニケーションになるだけでなく、語彙力や読解力、想像力や集中力など、就学してからも必要な力をたくさん身につけることができます。忙しい日常の中、ほんの少しだけでも時間を作って読み聞かせを続けてあげることが、子どもの成長にとって大切です。

絵本が好きな子どもは多いので、大人が積極的に読み聞かせに誘うと喜んでくれるはず。きっと目をキラキラさせて絵本の世界に夢中になってくれるでしょう。